メンター、Veloce/Olympusなど新製品を更に機能強化、今年はクルマにも注力

EDSF2008に出展していた、メンター・グラフィックスのブースレポート。

メンターは、DFM/IC設計、検証、ESL、PCB設計、Automotiveと大きく5つのカテゴリに分けて製品を展示していた。

これまであまり前面に出ていなかった「Automotive」コーナーについて聞いたところ、今年は自動車向けソリューションに本格的に注力していくという事で、昨年リリースしたメカトロシステムのモデリングツール「SystemVision」を展示。同ツールは自動車に限らずあらゆるメカトロシステムに対応可能だが、TAT短縮に対応し設計段階でリコールを減らすためのソリューションとして、バーチャル&リユースをキーワードに自動車開発にアピールしていくという。

IC設計関連での目玉はやはり「Olympus-SoC」。昨年Sierra社の買収によって獲得した同配置配線ツールは、タイミングの最適化だけでなく、クロックツリー・シンセシスやシグナル・インティグリティ解析においてもマルチモード/マルチコーナーに対応しており、ありがちな制限は一切無く1ショットで実行可能。複数CPUによるマルチスレッド処理もサポートしており、既にPowerフォーマット「UPF」にも対応済みとツールのエンハンスは継続して進行中。現在、配置配線で検証できないルールを「Calibre」でチェックして「Olympus」へフィードバックするという、「Calibre」と「Olympus」間でのイタレーションフローを構築しているとの事だった。

検証関連では、統合検証環境「Questa」にUSDBと呼ばれるカバレッジデータベースを基にした検証マネジメント機能が新たに装備されたほか、新型エミュレータ「Veloce」が更に機能アップ。従来からのトランザクションベース検証機能に加え、機能検証ツール「O-in」のアサーションにも対応。「Veloce」のGUI上で「O-in」の専用アサーション記述を直接扱う事が可能となった。また、検証したデータをサンプリングする新たなデータベース機能によって、2回目以降の検証をトランザクションベースで高速化するという便利な機能も追加されたという。

その他、ケイデンスと共同で進めている検証メソドロジ「OVM(Open Verification Methodology)」について聞いたところ、「OVM」を公開しているWEBフォーラムには既に1400名が登録(最初の3日間で900名が登録)しているとの事で、やはり機能検証の世界では興味を集めている様子だった。

メンター・グラフィックス・ジャパン株式会社
※記事提供:EDA Express