豪アルティウム、PCB/FPGA統合設計環境「Altium Designer」をバージョンアップ〜東大でも超小型衛星開発で活用、回路設計工数を半減

2007年11月27日、Windowsベースの統合エレクトロニクス設計環境を手掛ける、豪アルティウム リミテッドの日本法人アルティウムジャパンは、同社製品「Altium Designer」の新バージョン6.8のリリースを発表した。プレスリリース

「Altium Designer」は、PCB設計、FPGA設計、組み込みソフト開発を単一の環境で実現するWindowsベースの統合ツールで、その全ての機能を140万円という低価格で提供。ワールドワイドで販売実績を伸ばしており、2007年7月-9月期は前年比29%増という実績を残している。

発表によると、今回のバージョンアップでは、300にも及ぶ新機能と機能強化を実施。中でも目玉となる新機能は「3D PCB ビジュアライゼーション機能」で、同機能を用いる事でPCB設計者は基板の外観や内部構造など設計状態を様々な角度から立体的に確認できるようになる。

また、回路図レベルでのワイヤ、バス、シグナルハーネスの接続が徹底的に簡素化され、簡単な図面で複雑な設計を表現することが可能となったほか、ボード全体のシステムレベルの設計では新しい「OpenBus グラフィカルエディタ」を用いてプロセッサ、バスアービタ、ペリフェラルドライバ、メモリーインタフェースなどのコンポーネントを扱い、直感的にシステム構造を作成できるようになった。

更にFPGA設計関連では、昨年発表された「CHCコンパイラ」が実装され、CコードからFPGA向けのRTLを自動生成する事が可能となり、組み込みシステムのソフトウェア設計者による、C言語からのハードウェア実装が現実のものとなった。

尚、アルティムジャパンでは、先頃開催した「Altium Designer 6」セミナーにて新バージョンの機能を一足早く紹介。セミナーには100名近いエンジニアが集まった。同セミナーで基調講演を行った東京大学中村友也博士(大学院、工学系研究科)によると、東京大学でも超小型衛星の開発の中でFPGA搭載ボードの設計で「Altium Designer」を使用しているとの事で、その使い易さと豊富な機能により回路設計工数を約半減。変更修正を容易にする便利な機能として回路図-PCB間の設計データ同期機能を挙げ、オンラインDRCによって基板メーカーにクリアランスエラーを指摘される事も無くなったと語っていた。

※画像は「Altium Designer 6.8」のGUIキャプチャ画像
 向かって左が「3D PCB ビジュアライゼーション」の画面
 向かって右が「OpenBus グラフィカルエディタ」の画面

※「Altium Designer 6.8」に関する詳細は、アルティウムジャパン株式会社までお問い合わせ下さい。