2007年9月10日、ケイデンスは、米国で開催中のユーザ・コンファレンス「CDNLive! Silocon Valley」にて、新製品・新機能を盛り込んだ最新のモデルベースDFMフローを発表した。プレスリリース

KARMA-EDA2007-09-11


発表によるとケイデンスの新たなフローは、45nm以降のプロセスばらつきへの対応に主眼を置いたもので、設計段階でのばらつき対応、即ち、設計結果と製造結果の一致を実現を目指すもの。独自のモデリング技術によってデザイン・ルールによる過剰な設計の縛りを抑え、先端プロセスのメリットを生かすと同時に高い歩留まりを達成できるとしている。

ケイデンスでは、この「設計結果と製造結果の一致」を実現する機能を「見た通りのものが得られる」という意味のコンピュータ用語「WYSIWYG」になぞらえ、「WYDIWYG(ウィディウィグ」機能と呼称。ケイデンスによると、「WYDIWYG」機能は大きく下記4つの新技術・新製品によって実現されている。
※WYDIWYG:what you design is what you get

1.詳細配線ツール「Nano Route」に新たに追加された、配線中のリソグラフィ違反防止のための特許技術
  −これにより、リソグラフィ上のホットスポットを50〜80%削減可能

2.新製品「Litho Physicai Analyzer」および「Litho Electrical Analyzer」
  買収したClear Shape Technologies社の開発した製品で、前者は旧製品名「Inshape」、後者は旧製品名「OutPerform」
  サインオフ用のOPCツールとはアプローチの異なるこの両製品により、設計段階で高精度なリソグラフィ解析を高速に実現

3.CMP解析ツール「CMP Predictor」
  昨年買収したPraesagus社の開発した製品で、CMPホットスポットの解析や修復、ランダムなプロセスばらつきの解析を実現、TSMC、UMC、IBMなど大手Fabがサインオフツールトして採用している

4.「Encounter Timing System GXL」における新たな統計的タイミング解析システム
  理論的に可能性は有っても現実的には発生しないコーナーケースに関する悲観的な制約を除去
  サインオフ精度のタイミング解析を短時間で実行するほか、解析結果をEncounterによるインプメントに生かせる

ケイデンスは、「WYDIWYG」を実現する設計フローは、グリッドベースおよびスペースベースルーター、設計レベルのリソグラフィ解析、CMP解析、統計的タイミング解析と、全てのソリューションを持っているからこそ実現可能なもので、他社には真似できない優れたフローであると主張。今後は買収したInvarium社のOPC技術も同フローに繋がる予定で、将来的なロードマップとして、発表した設計フローに「Thermal Analysis(=熱解析)」も加える計画を明らかにしている。

ケイデンス社製品に関する詳細は、日本ケイデンス・デザイン・システムズ社にお問い合わせ下さい。
※記事提供:EDA Express

Statistical Analysis and Optimization for VLSI:  Timing and Power (Integrated Circuits and Systems)

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