2007年4月13日、ケイデンスは都内のホテルでプレス関係者向けのミーティングを開催。来日していた社長兼CEO Mike Fister氏が今年のビジネス展開について、その計画を明らかにした。

KARMA-EDA2007-04-23


Mike Fister氏によると、あらゆる製品分野で益々複雑化していく設計事情に対応していくために、今年は「Holistic Approach」という考え方をキーワードに、各事業セグメントで全体的なアプローチを強化していく方針で、その具体例として以下の3つを示した。

1.Kit化戦略:
昨年から提供を開始した「Design Kit」を今年は更に強化。従来の汎用的なキットに加え、顧客の最終製品に合わせたキットの提供を目指す。

2.ローパワー・ソリューションの強化:
Si2の「CPF(Common Power Format)」をベースとした包括的な低消費電力ソリューションを提供。既に仕様から設計、検証、インプリメンテーションとCDSIIまでの各設計ツールで「CPF」サポートを完了しており、顧客の成功事例も出てきている。

3.Logic Design Team Solution:
ツールの特別なインテグレーションによって、論理設計、検証、テスト設計、物理設計など、専門家による個別の担当業務間のコミュニケーションを強化し、より予測性・生産性の高い設計マネンジメントを実現する。

尚、これら「Holistic」なアプローチは、既に大手各社との「コーポレート契約」の中でも実現されているとの事で、日本ケイデンス副社長の広瀬氏が先日発表された日立製作所との取り組みについて紹介した。

関連情報:
「日立、「モノ作り強化」の一環でケイデンスのEDAツールを全面採用〜設計効率2倍化と設計期間40%短縮を実現」

広瀬氏によると、「PICHASO」と名付けられた日立とのプロジェクトは、日立既存の設計ノウハウをケイデンスのツールと「Horistic」なアプローチでサポートするという事がベースとなっており、社内を横断する設計基盤の構築に向けて、新しい設計ツールの集中管理システムに加え、「VCAD」と呼ばれるケイデンス最新のサポートシステムも導入。高度なセキュリティ技術とインターネット技術を利用したこの「VCAD」を使うと、ワールドワイドで一番適切なエンジニアが問題をサポートしてくれるという。

ケイデンスは、今年も6月にユーザー会「CDN Live!」を開催。その場で様々な最新のユーザー事例が紹介される予定。
※記事提供:EDA Express

EDA for IC Implementation, Circuit Design, and Process Technology (Electronic Design Automation for Integrated Circuits Hdbk)

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