丸紅ソリューション、EDAラインナップを大幅拡充②

EDSF2007に出展していた、丸紅ソリューション社のブースレポートその②。(※前回のレポートに続き、同社ブースで展示されていた新製品について紹介します。)

丸紅ソリューションが以前から取り扱っている米Incentia社は、新製品「Constraint Craft」をラインナップ。このツールは、フォルスパスの検証とSDCチェックを行うもので、STAからのタイミング結果を入力として、タイミングパスの真偽判定を検証。SDCを生成する。このSDCによってタイミング改善の工数を削減することが可能となる。Incentia社製品としてはその他に、主力製品のゲートレベルSTA「TimeCraft」やSDCデバッガ「TimeCraft-CDBG」、タイミング収束のイタレーションをアドバイスする「TimeCraft-ECO」といった製品も展示されていた。(TimeCraftは昨年NECエレによる採用が発表されている)

イスラエルTestInsight社の製品は、テスト設計とテストを繋ぐ橋渡し的なツールで、「WaveWizard」はシミュレータの出力ファイルから各種テスタ用のテストプログラムを生成。「VirtualWizard」は、「WaveWizard」で生成したテストプログラムを用いてシミュレータのテストベンチを生成するもので、シミュレータ側とテスタ側双方の検証を効率化できる。同ツールは既にワールドワイドで1000ライセンス以上出荷されているヒット商品で、日本ユーザも多数。テスタによる検証結果を設計側に返せるという利点もあり、テスタに内蔵する形で利用しているユーザもいるという。

昨年12月に取り扱いが開始されたばかりという、フランスedXact社の「Jivaro」は、RLCKネットリストのコンパクションツールで、遅延ベースのフィルタ処理は行わず数学的な処理によって、精度を維持したまま寄生素子数を削減することができる。これにより大規模データの回路シミュレーションを高速化することが可能で、実際にシミュレーション時間を1/10に短縮した実績もあるとの事。

EDAツールではないが、世界的なニーズを受けて日本にも上陸を果たした米CLIO社の「SOS」は、設計データのマネンジメントを行うプラットフォームで、設計に関わるデータ量の増大、設計拠点のグローバル化などによって高まってきたデータの共有ニーズに対応する製品。Cadence、Mentor、Silicon CanvasといったベンダのEDAツールに組み込んで使用する事が可能だが、基本的にデータの種類は問わず、クライアントは呼び出した各種データをEDAツールや設計プロセスにインテグレーションする事ができるという。尚、「SOS」は、既に欧米、アジア地域においても普及している製品だという事で、既に10年近く販売しているロングセラーで当然実績も多数。日本市場への進出が一番最後になったと聞いた。

その他、丸紅ソリューションブースでは、テスト系ツールのSyntest社、WinterLogic社、ホットスポット検出ツールのAnchor社、半導体向け3次元CADのCoventor社など、多数の製品を展示。商社の力が弱まったと言われる中、健在ぶりを充分にアピールしていた。

※記事提供:EDA Express