EDSF2007に出展していた、丸紅ソリューション社のブースレポートその①

KARMA-EDA2007-02-06


丸紅ソリューションは、2006年に一新した同社のEDAラインナップを一挙に披露。参考出品の2社を含めた計15社の製品のうち、半数以上は新製品という力の入れようだった。(※同社の展示内容については、2回に分けてレポートします。)

まず、未だ正式な代理店契約には至っていないものの、取り扱い予定として参考出品されていた製品が2つ。

1つは、ドイツのMunEDA社のDFM/DFYツール「WiCkeD」。このツールは、アナログ及びミックスドシグナル回路をターゲットとした回路最適化ツールで、アナログ回路の回路構造を解析し最適な回路トポロジーを見つけトランジスタレベルの最適化を行う。

「WiCkeD」既にヨーロッパでは実績のあるツールとの事で、会社の設立は2001年。シリコンバレーの他、台湾、韓国などにも販売チャネルを持つ。同社は会場内の新興ベンダエリアにも個別のブースを構えていた。

もう1つの参考出品製品は、米Knowlent社の「GoldSpec」と「Opal」。両製品は、アナログインタフェース回路の仕様検証を行うツールで、HDMIPCI ExpressSerial ATA、LVDS、XAUIなど各種標準インタフェース用のテストベンチが「GoldSpec」として用意され、それを用いる事で「Opal」でテスト対象回路の仕様検証及び波形デバッグを行う事ができる。

その他、展示されていた新製品の中に、キャラクタライズ関連の製品が2社3種類。1つは、米Altos Design Automationの「Liberate」と「Variety」。この両製品は、昨年6月から同社で取り扱いを開始した主要EDAベンダの最新のセルライブラリを生成するキャラクタライズツールで、「Liberate」はタイミング、消費電力、ノイズ向け、「Variety」は、SSTA向けのライブラリを生成することができる。

「Liberate」は、HSPICE、Spectre、Eldo、SmartSpiceといった汎用回路シミュレータに対応している他、内部に自前の回路シミュレータを持っており、高精度かつ高速なライブラリ生成能力がウリ。「Variety」は、ケイデンスシノプシスのSSTA用フォーマットを生成する。話によると某国内大手メーカーが既に両製品を導入済み。評価中のユーザも多数存在しているとの事。

もう1つは、昨年12月から販売を開始したばかりという米Stratosphere Solutions社の「StratoPro」。この製品は、チップ内のバラツキを正確にモデリングするための特性評価用TEG IPで、入出力測定パットを共有化する独自のTEG搭載技術によってTEGの搭載エリアを削減。このIPを用いる事によってチップ内のバラツキをより高精度に解析する事ができる。

聞く所によると、取り扱いを開始直後から多数の引き合いがあり、既に国内にて2社が導入済み。統計的なプロセスキャラクタライズを実現するIPとして、高い評価を得ているという。

※記事提供:EDA Express