2009年1月15日、メンター・グラフィックスは、富士通と富士通研究所がOVMベースの次世代機能検証環境を整備するために、メンターの検証プラットフォーム「Questa」を採用した事を発表した。

KARMA-EDA2009-01-15

※OVM:Open Verification Methodology

プレスリリース文(メンター・グラフィックス社のWebサイト参照)

発表によると富士通富士通研究所は、高性能並列計算機システムの主要な要素を形成することが可能な、複雑かつ複数クロックドメインのインターコネクト用チップの検証を目的にSystemVerilogと同言語を用いた検証メソドロジOVMを採用。機能検証環境の構築にあたりメンターの検証プラットフォーム「Questa」を選択した。

今回のような大規模かつ複雑なSoCの検証にOVM が使われた事例は世界でも例が無く、メンターと組んでOVMベースの検証環境を構築した理由として富士通/次世代テクニカルコンピューティング開発本部長の井上愛一郎氏は、「先進の検証技術そして非常に高いカバレッジが必要だった」とコメント。ベンダ非依存の形で検証環境を構築できたことも成果として大きかったという。

両社が構築した検証環境で特徴的なのは、以前から両社が取り組んでいるUMLからの仕様書を起点として検証を目指している点。同環境は、複数SoCに対してUMLで記述された設計仕様書を解析することで、体系的かつ網羅的にユースケースを抽出し、検証シナリオを形成することが可能だという。

尚、同事例の詳細については、来週開催されるEDSFair2009での特設ステージセッション5(1/23:16:15?17:15)「検証メソドロジ入門から超並列計算機向けインターコネクトへの適用事例まで -仏作って魂を入れる検証-」にて触れられる予定で、検証メソドロジの必要性やテストシナリオの重要性など、検証戦略のイロハについて実例をベースとした話を聞く事ができる。

富士通株式会社
http://jp.fujitsu.com/

※株式会社富士通研究所
http://jp.fujitsu.com/group/labs/

※メンター・グラフィックス・ジャパン株式会社
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