【DACレポート10】CLK Design Automation、TSMCリファレンスフロー9.0向けの次世代SSTAをリリース

第45回DACに出展していたCLK Design Automation社のブースレポート。

CLK Design Automation社は、SDCsourceの「DAC Top10」やGary Smith EDAの「What to see @ DAC2008」に選ばれるなど話題性が高く、スイート主体のブースは連日満員御礼。足しげくブースを訪問し、ようやく取材する事ができた。

DAC直前に発表した、TSMCリファレンスフロー9.0向けの次世代SSTA「Amber FX」は、TSMCとの共同プロジェクトにて既存製品をエンハンスしたもので、同リファレンスフローに対応したSSTAは「Amber FX」が業界初。当然ながらTSMC先進の40nmプロセステクノロジをターゲットとしている。

複数存在するSSTAの中で「Amber FX」がなぜ注目されるのか尋ねたところ、他社製品同様マルチスレッド処理に対応し高速化を実現しているのは勿論で、最大の違いは「ツールにSPICEが内蔵されている点」との回答。

SynopsysやCadenceはSSTA用に独自のライブラリフォーマットを用意しているが、ユーザーからするとそのライブラリを作る手間が膨大で、通常、大量のSPICEを用いて数週間かけてライブラリを作っている。しかし、CLKのライブラリは非常にシンプルで、SPICEネットリストが有れば内部のSPICEを用いて容易にキャラクタライズ可能。8ライセンス使えば約4時間でライブラリを作成できるという。

更に、「Amber FX」で行ったタイミング解析の結果を用いて、クロックツリー・シンセシスを行うことも可能(別製品「CLKWorks」を用いたCTS)で、どこに回路マージンが有るかを知った上でグローバルにスケジューリングでき、ゼロスキューではないスキューをリスケジューリングする事も可能。同時スイッチングによる余分な電力のばらつきや配線リソースの問題にも対処可能だという。

尚、同社は既に北米市場にて多数の顧客を獲得しており、昨年9月より日本国内でも営業を開始。現在複数の企業が評価中との事。また、韓国でも製品展開を開始していると聞いた。

※写真はCLK DA社のブースの様子。スイートの受付といった感じであった。

CLK Design Automation社

※記事提供:EDA Express