2008年5月22日、SystemVerilogベースのESL合成ツールを手掛ける、米Bluespec社は、同社のESL合成ツールを米Denali社が導入した事を発表した。

KARMA-EDA2008-06-03


プレスリリース:http://bluespec.com/news/Denali-Software-Selects-Bluespec.htm(英文)

発表によると、Denaliは提供するIPやDDRコントローラなど、既存の動作合成ツールでは作成が困難なデザインの開発用にBluespecのツールセットを導入。高い抽象度でデザインのモデリング、検証、インプリメントを行うツールとして社内で利用する。Denaliは、提供するIPを顧客毎にカスタマイズする必要があるため、Bluespecの制御回路に適用可能な動作合成と高度なパラメータ化が可能なソリューションが最適と判断したという。

Bluespec社の日本代理店であるサイバネットの江頭氏によると、Bluespecのツールセットは、既存の動作合成ツールとは全く性質の違うツールで、「アトミック・トランザクション」と呼ばれるデータベースの世界では有名なSystemC TLMよりも更に細分化された「処理の単位」をベースに合成を実行。合成という概念が一般的な動作合成ツールと異なるため、スケジューリングやアロケーションと呼ばれる処理は行わず、それ同等の処理は設計者のコントロールの下で別の形で実行されるという。

また、Bluespecのツールセットは、ビット幅を増やすといったレベルを超えて、様々な形で高度なパラメータ化が可能なためIPの再利用に活用できるほか、テストベンチやトランザクタのRTL合成も可能。トランザクタ合成機能によってSCE-MI準拠のトランザクタを自動合成できるため、エミュレータを用いた検証用途のツールとしてBluespecを導入している顧客も多いと聞いた。

Bluespec社

Denali社

サイバネット株式会社

※記事提供:EDA Express