ケイデンス「WYDIWYG」をコンセプトに設計フロー全体を強化、今後はミックスドシグナルにも注力

EDSF2008に出展していた、ケイデンス・デザイン・システムズのブースレポート。

ケイデンスは、「WYDIWYG:What You Design Is What You Get」というコンセプトの下、「設計結果と製造結果の一致」を目指す包括的なソリューションを展示していた。

プロダクト・マーケティング部の田中氏に今年の展示のポイントを尋ねたところ、まずDFM関連では昨年のClear Shape社の買収により、設計段階でのリソグラフィ解析が可能となり、途切れの無い一貫したDFMフローが実現できたとの事。既に旧Clear Shape製品はケイデンスフロー中でシームレスに繋がっており、従来のルールベースの解析とClear Shapeのリソグラフィ解析を組み合わせる事で、効果的にホットスポットを検出・修正できるという。

一方、LowPower関連については、ケイデンスの推すPowerフォーマット「CPF」の先行性をアピール。「CPF]は、現在「CPF 1.1」の策定に向かっており、NEC富士通など大手企業も使い出してるほか、STARCも「CPF」ベースのLowPower設計フローを発表と順調に浸透しており、「CPF」を適用したテープアウト実績は既にワールドワイドで25件に達しているとの事。ユーザーの多くは、上流設計でのアーキテクチャ検討やパワー検証にて「CPF」を活用していると聞いた。

検証関連では機能検証の統合環境「Incisive」に加え、市場シェア70%を抑えているという等価性検証ツール「Conformal」製品群が更に充実してきており、CPF検証、CDC検証、SDCチェックに対応する各製品の他に、密かに開発を進めてきた「Conformal ECO」という製品もリリース。このツールを利用すればECOにおける不要なデザイン変更を無くすよう、最小限の変更箇所を示唆してくれるという。

尚、デジタル・インプリメンテーションの分野では、論理合成「RTL Compiler」が少しづつシャアを広げているという話で、先頃ヨーロッパで行われた業界紙による合成ツールの人気投票では55%の得票を獲得。最近では、RTLレベルでDFT挿入というニーズに応じて、「RTL Compiler」上でDFTツール「Encouter Test」を扱えるようになったとの事。

ケイデンスとしての今後の大きな動きについて聞いたところ、デジタル・インプリメントの中心をなす「Encounter」プラットフォームを更に大規模なデザインに対応させていくと同時に、アナログ/ミックスドシグナル設計のニーズに応え、OpenAccessで「Encounter」と「Virtuoso」を統合していこうという計画もあるとの事だった。

日本ケイデンス・デザイン・システムズ社
※記事提供:EDA Express