東芝マイクロ、シーケンスの消費電力解析ツール「PowerTheater」の効果的な活用法を発表〜ゲートレベルでも高速かつ高精度な電力解析を実現/電圧効果解析も短TAT化

2007年11月8日、消費電力関連をはじめ各種解析・最適化ツールを手掛ける、米シーケンスデザインは、秋葉原コンベンションホールで「Design For Power セミナー2007」を開催。満席となる100名近くの参加者を集めた。イベント関連情報

低消費電力設計にフォーカスした技術セッションに終始した同イベントの中で、非常に興味深かったのが、東芝マイクロエレクトロニクスの南 文裕氏による「実設計に適した高速な消費電力解析環境」という事例発表。南氏は、シーケンスの消費電力解析ツール「PowerTheater」の効果的な活用方法として、高速かつ高精度なゲートレベルの電力解析手法と電圧効果解析手法の実例を紹介した。

発表によると南氏のチームでは、軽く3日は要するというシミュレーションベースの大規模回路の消費電力解析(ゲートレベル)を精度を損なわずに高速化すべく、テストベクタを用いずに消費電力を解析できる「PowerTheater」の「Zero-Sim」オプションを活用する方法を考案。「Zero-Sim」オプションに必要な実効周波数をRTLシミュレーションで求め、RTLとゲートの接続関係からゲーテッドクロック化された信号を対応づける専用I/Fを用意し、RTLシミュレーションとベクターレス解析の合わせ技と呼べる電力解析フローを構築。その精度を2種類の実チップデータで確認したところ、シミュレーションベースのゲートレベル解析と同等の精度誤差15%以内を達成できた。

また、動的電圧降下解析についても、消費電流値の予測に必要なVCDダンプを「PowerTheater」の高速なRTLシミュレーションから入手し、その情報を適切に電圧降下解析ツールに渡す専用I/Fを用意するという方法で、高速かつ高精度な電圧降下解析を実現。同じく実チップデータに適用したところ、ゲートレベルのシミュレーションベースの電圧降下解析と同等のドロップマップを得る事ができたという。

尚、シーケンスデザインでは、2008年初頭に「PowerTheater」のバージョンアップを予定しており、新たに新機能が追加される予定。

※「PowerTheater」に関する詳細は、シーケンスデザイン株式会社にお問い合わせ下さい。
東芝マイクロエレクトロニクス株式会社
※記事提供:EDA Express