2007年9月17日、シノプシスは、SystemC TLMのライブラリ「DesignWare System-Level Library」のリリースを発表した。※TLM:transaction-level model プレスリリース(英文)

KARMA-EDA2007-09-18


シノプシスの発表によると、「DesignWare System-Level Library」は、SystemCで記述されたIEEE 1666 SystemC準拠のTLMライブラリでシノプシスのツールに限らず動作可能。具体的な中身としては、各種ARMプロセッサモデル(ARM7/9/11)、各種ペリフェラルモデル(AMBA 3 AXI、DMA Controller、Watchdog Timer他)、DesignWare Coreモデル(USB 2.0、SATA AHCI他)など計50以上のSystemC TLMモデルがラインナップされている。

また、「DesignWare System-Level Library」の中には、「ARM Integrator platform」など各種仮想プラットフォームのリファレンスモデルも用意されており、これらモデルを利用することで、システムのパフォーマンス解析やアーキテクチャ探求、ソフトウェアの先行開発等で利用が本格化しつつある、ハードウェアの「仮想プラットフォーム」を短時間で容易に組み上げる事が可能となる。

尚、発表された「DesignWare System-Level Library」は、「トークン方式」のライセンス形態の下で有料提供されるもので、各TLMモデルを必要に応じて購入する事が可能。既に出荷が開始されている。

SystemC TLMライブラリというと、業界ではコーウェア社が無償配布している「SCML」が有名だが、こちらはSystemCのペリフェラルモデルをモデリングするための方法論が中心で一部サンプルモデル以外に特定のTLMモデルが提供されるものではない。

仮想プラットフォームで使用されるプロセッサモデル等の各種TLMは、殆どが特定ツールのオプションライブラリとして提供されている事を考えると、今回シノプシスが発表したTLMモデルの「単品売り」はある意味画期的な事で、SystemCユーザにとっては検討価値の高いソリューションと言える。

※「DesignWare System-Level Library」に関する詳細は、日本シノプシス株式会社にお問い合わせ下さい。

※記事提供:EDA Express

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