2007年8月31日、コーウェアの開催した「ESL Show 2007」の技術セッションにて、米Catalytic社のMATLABモデル高速化ツール「RMS」および「MCS」が紹介された。ESL Show 2007関連ページ

KARMA-EDA2007-09-06


Catalyticの製品が紹介されたのは、アルゴリズム開発環境「SPD(Signal Processing Designer)」の技術セッションで、恐らく公の場での製品紹介としては国内初。MATLABモデルをSPD環境にインポートする際に利用できるツールとして紹介された。

Catalyticは2001年に設立されたEDAベンチャーで、2004年にDSP設計向けのEDAツール「Fixed-Point DSP Studio」をリリースし、その後、「Fixed-Point DSP Studio」をベースとした現行製品「RMS」を開発。そして更に「RMS」を機能拡張した「MCS」をリリース(2006年)という形で現在に至っている。

RMS」および「MCS」いずれの製品もシミュレーションに多大な時間を要するMATLABモデルの高速化を目的に作られたツールで、「RMS」はMATLAB Mファイルのファンクションをコンパイルされたライブラリに変換してMファイルとして出力、「MCS」はMATLAB MファイルをANSI-Cに変換して出力する事が出来る。これにより、MTALABシミュレーションを5倍〜最高100倍以上高速化する事が可能となるという。

尚、コーウェアの説明によるとCatalyticの製品は、シノプシスのシミュレーター「VCS」のソフトウェアアーキテクトとして「VCS」をインタプリター式からコンパイル式に作り変えた実績を持つRandy Allen博士(Catalytic社Founder兼VP)を中心に開発されたもので、同氏の持つコンパイラ最適化理論がベースとなっているとの事。

ちなみに、インタプリター式のMATLABに対して、コーウェアの提供するアルゴリズム開発環境「SPD」はコンパイル式をとっているため、シミュレーション速度はやはり圧倒的に「SPD」の方が速い。コードのデバッグ/メンテナンス性や豊富なライブラリなど「SPD」は大きくて複雑なアルゴリズム開発向き、MATLABは小さいアルゴリズム開発向きという大きな棲み分けの中で、「MATLABシミュレーションを高速化したい」、「MATLABモデルをSPDにインポートしたい」そんなニーズには、Catalytic社の「RMS」/「MCS」は、ある意味うってつけの製品と言える。

※Catalytic社は未だ日本国内の販売窓口を持っていないが、間もなく販売ルートが確立される予定。
Catalytic社
※「SPD」に関する詳細は、コーウェア株式会社にお問い合わせ下さい。
※記事提供:EDA Express

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